輿石氏ジレンマ深刻 民主の労組依存…野党共闘「足かせ」に

輿石氏ジレンマ深刻 民主の労組依存…野党共闘「足かせ」に
産経新聞 2013年1月11日(金)7時55分配信

 民主党の輿石東参院議員会長は10日、出身母体の日本教職員組合(日教組)の「新春のつどい」に出席し、新年の政治活動を本格始動させた。夏の参院選に向け、野党共闘の必要性を説くものの、民主党の「労組依存体質」を嫌う日本維新の会やみんなの党からは連携に後ろ向きな発言が相次ぐ。自らの支持母体が野党共闘の最大の「足かせ」となっているだけに、輿石氏のジレンマは深刻だ。

 10日夕の日教組本部が入る東京都千代田区の日本教育会館。輿石氏は「丸い月夜もただ一夜。私たちは満月に酔っていたかもしれない。みなさんと一緒に前に進むことを誓う」と結束を呼びかけた。

 組合員数の減少にも触れ、「日教組と聞けば鳥肌が立つ人もいる。そういう人に『教育は未来への先行投資だ』と知ってもらえるようになるかが勝負だ」と強調。組織弱体化を認めつつも、その存在意義は大きいと言いたかったようだ。

 だが、維新代表代行の橋下徹大阪市長や幹事長の松井一郎大阪府知事が取り組む教育改革には、日教組系の教職員組合が猛反発している。日教組の政治組織、日本民主教育政治連盟所属の参院議員が6人もいる民主党が、維新の選挙協力を取り付けるのは極めて困難といえる。

 実際、松井氏は民主党との連携について「輿石さんがわれわれの教育改革を『よし』とするなら協議できるが、絶対無理」と語っている。みんなの党の江田憲司幹事長も9日のTBS番組で「民主党は誰とは言わないが、参院のドンがいる。その人に象徴される労組依存体質の結果、行政改革ができなかった」と暗に輿石氏をあげつらった。

 参院選に向け労組などの引き締めに躍起の民主党だが、組織が固まる分、野党共闘が難しくなるのは皮肉としか言いようがない。(原川貴郎)

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